いまだに「歯並びの良し悪しは遺伝でしょ」と解釈されている方が多いと思います。両親ともに不正歯列が認められる子供が矯正の相談に連れてこられる中色々なお話を院内でしていく中でよく聞くフレーズです。
しかし、そうではない理由や根本的に根本的に良くしていくことが可能だということを解剖学的な観点から解説してもらえる講演会内容でしたので、そのエッセンスだけ少し紹介してまいりたいと思います。講演をしてくださったのは丸茂義二先生であり、当院は20年以上もの間子供の矯正治療に携わってきて時代ごとに進化する考え方に追随しているところですが近年はこの丸茂先生の教えを主軸に捉えて実践させてもらっております。
ここ数年で、お口ポカンと表現される開口状態や伴う口呼吸が悪いポイントであるという認識がとても広がっており、多くの子育て世代に認知されてきたと実感しています。そして、口呼吸が歯並びを悪くするだけでなく頭脳の発達にも良くない影響を及ぼしかねないということも認知されてきていると感じます。
しかし、口呼吸が原因で歯並びが悪くなっていくわけではなく、もっと別の根本原因がある中で現象として目に見えているのが口呼吸であるということが判明しているのです。ちょっとしたニュアンスの違いのように思うかもしれませんが、全然違う意味を持つことなので、そこの理解を促していかねばならないと思っております。少しだけ具体的に説明いたしますと、口呼吸が原因だとすると無理矢理にでも鼻呼吸になるように強制(口にテープを貼るなり)して過ごすことで歯並びは良くなっていくはずです。しかし、それは不可能だと実際の症例でも証明されています。だとすると、口呼吸が原因なのではなく別の原因があることで現象として現れたのが口呼吸ということになります。直すにあたっては、その根本原因にアプローチしていくことで口呼吸が鼻呼吸へと変わり、歯並びも改善していくのです。
ここで重要なのは、実際に現れている口呼吸や丸まった背中や巻き肩などは、どれも根本原因でなく現象ということなので、それらを直接的に直すようなアプローチは理にかなっていないだけでなく、改善させていく措置としては間違っているとも言えるということなのです。
子供は成長期であるならば、早いスピードで改善していきます。ですので、大前提として⚪︎歳を迎えたから遅いといったことはなく、乳歯列が永久歯列に生え変わり始めるくらいまででしたらいつからでも改善のアプローチをしていく価値があるようです。
ですが、やっぱり最重要なのが乳幼児期だと言われています。「ハイハイするまでの期間、固く平らな場所に寝かせる」「離乳食を食べ始める時期から座らせる椅子は真っ直ぐな姿勢になるものを選ぶ」「固形物を早くに食べさせない(特に肉やパン)」というポイントは特に重要であり、育っていく中で鼻呼吸ができない条件が揃ってしまうのを避けるためには上記のことを守っていかねばならないようです。その理由を簡単に表現すると、育まれる体幹が未発達なことで吸気補助筋が働いてしまい無意識呼吸(鼻呼吸)ができず意識呼吸(口呼吸)となるそうです。
乳幼児期が重要であることは間違いありませんが、小学生になっているからといって”手遅れ”なことはありません。講演会で症例として発表された内容では、6歳を過ぎてから改善し始めていた発表もありました。どんなに指導しても背筋を伸ばした姿勢で座って勉強できず、騒ぎがちだった子が改善していく様子もありました。
自宅室内の環境や家具、そして食事といった外部要因が大きく関与してしまうからこそ、両親や兄弟に似た良く無い現象が目立ってくるので、より遺伝と解釈されやすいものと思いますので、気になった姿勢やそぶりを見つけたら、是非とも早期に受診して見せてください。今からできる改善策をお伝えしたいと考えております。
今後とも、北習志野駅チカ 習志野台の歯医者 船橋すずき歯科口腔外科矯正歯科 をどうぞ宜しくお願い致します。
2025年10月13日
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平日:9:15~18:00 土曜:9:00~17:00
休診日:日曜・祝日
成人歯科健診/妊婦歯科健診(船橋市)
※ 2022年4月より、水曜診療を開始しました。
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